長時間透析

一般的な透析療法の標準条件は週3回4時間、体外循環の血液流量は200mlです。しかし、本来の腎臓が1分当たり約1200mlの血液を受け、その血漿のうち120ml程度を濾過して原尿を作っていることを考えると、ヘマトクリットが50%としても1分当たりの血流量240mlに相当する血液を処理している計算になります。そうすると週当たりの血液処理量は240ml×60分×24時間×7日=2419.2リットルです。さきほどの標準条件の週3回透析では200ml×60分×4時間×3回=144リットルで、腎機能正常者の144÷2419.2=約6%しか血液の浄化ができていないことになります。透析を長く行うのは制約が多くて本当につらいことです。しかし、できるだけ長くしっかり治療を行ったほうが良いことは間違いありません。 1983年にフランスのCharra先生が発表した有名な論文では1回8-10時間週3回の透析を行ったところ52人の全例で適切なドライウエイトが達成され、血圧のお薬を飲むことなしに血圧が正常化されたと発表されています。現在もこのTassin透析センターでは長時間透析を実践し素晴しい結果を出し続けています。現在のダイアライザーは性能が良く、Kt/vといった指標だけからだともう少し短い時間で同じレベルの透析効率を実現することは可能です。そう行った意味でこの結果をそのまま準用することは無いと思いますが、我々もやはり透析時間は長いに越したことは無いと思っています。
 もちろん、患者さんの希望なしに無理やり長時間の透析を押しつけるということは絶対にいたしません。ゆっくりと相談の上、私たちと患者さんご本人が考えられ理想の透析条件を探していきましょう。